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業界を知る

1.医療業界について

高齢化による医療費の増大

我が国の医療費は増加の一途をたどっています。その理由は医療提供体制の整備・充実、老人医療費低負担など、保険給付の充実などが挙げられますが、近年においては「高齢化」と「医療技術の高度化」の2つの影響が最も大きいと言われています。 日本における65歳以上の人口は1947年には374万人でした。それが戦後一貫して増加し1970年には739万人、1995年には1826万人、2015年には3384万人にまで増加しています。総人口に占める65歳以上の人口の割合、いわゆる高齢化率は約26%になりました。年齢階層別にみる国民医療費も65歳以上の高齢者が半分以上を占める今、この傾向は右肩あがりの一途をたどり、日本は世界的にも医療費の拡大が著しい国になりつつあると言えるでしょう。

医療技術の高度化

戦後、医学や医療技術は急速に進歩してきました。1970年代以降になると超音波診断装置や画像診断機器などの診断技術が高度化されるようになり、ME(メディカルエレクトロニクス)機器の本格的な普及が始まったのです。

治療技術においてはカテーテルや内視鏡、MRI診断装置、ロボット手術など先進的な技術がどんどん導入され、様々な疾病の治癒に大きく貢献することとなりました。ですが、これらの技術は高価な医療機器・医薬品を使用することも多いため、医療費増大の一因であるとも言われています。そのため、これからはより適切なコストによる高度医療の実現が求められる時代となるでしょう。

急激に変化する医療業界

厚生労働省による医療構造改革の推進やそれに伴う法改正など行政の動き。合併や統合による医療機器・医薬品メーカーなどの企業再編成。医療の高度化が求められつつも経営のスリム化が求められている医療機関の現場。医療業界は今、大きな変革のうねりの中にいるといっても過言ではありません。

社会全体としても、生活習慣病に対する予防を図るためにメタボリックシンドロームという概念が導入されると瞬く間に定着するなど医療・健康に対する関心は高まるばかりです。増大するニーズに高い次元で応えることが医療業界の使命であると言えるでしょう。